会話力を向上させる方法

 中国語を学習される多くの方は会話ができるようになりたいと願っています。

しかしながら、毎月数回程度、語学教室へ通って日常会話が話せるようになることはありません。やはり、日頃から中国語に触れる機会を作ることが大切です。

語学に精通した方は皆さん”言葉の上達は慣れだ”と口を揃えて言います。

でも、どういう学習方法が良いのかわからないという方も多いので、通勤通学の時間や自宅へ戻ってから、また、教室での学習方法をここで紹介します。

 継続することが上達の近道ですので、無理せず、自分に見合った学習方法を見つけて、会話の上達に近づけてください。

 

 

 

四技能を鍛える

 

「聴く」の学習法

1.テキストのCDをかけっぱなしで聴く方法

一つの課のスキットだけを何回も聴きます。テキストは不要です。通勤時間にもよりますが、最初に聴いたときは単なる音が、帰宅前には言葉として頭に残ると思います。うんざりしてきたら、中国語の歌や好きなドラマのセリフでも構いません。とにかく聴く習慣を身につけましょう。

 

2.シャドーイング(復唱)

中国語の音声のすぐ後から同じ音声を真似る方法です。出来れば、同時通訳みたいに少し遅れて発音していきます。最初は聞き取りも困難で、機械的についていくだけで精一杯ですが、繰り返しやっていると段々速度が追い付いてきます。今度は単語の意味を考えながら、発音していくとかなり聴く力が身に付きます。

 

3.ディクテーション(書き取り)

音声だけを頼りに書き取っていく作業です。教材は伏せておくこと。CDの短いスキットを聴きながら、文章を書き写してください。これも能力の限界まで何度も繰り返し、もうこれ以上無理!と感じたら、テキストで答え合わせをしてください。ディグテーションはリスニング効果だけでなく、会話にも効果があるとされています。

 

「話す」の学習法

1.シミュレーション(場面想像)

先ほど紹介したシャドーイングの次に、話す上達法として紹介したいのは、シミュレーションです。最近はいたる場所で外国人旅行者を見掛けるようになりました。もし声を掛けられたらどうしようの前に道に迷っていたり、店を探していたりしたら、積極的に案内してあげようと頭を切り替えましょう!先ずは普段からどういう質問が想定されるかを考え、それに対する回答も併せて考えてください。語訳が分からないときは老師に訊いても結構です。ただ、自分の力で克服することが上達の鍵になります。いざ実践となったとき、正確な文法や発音も大切ですが、細かいことは気にせず、日本人に話し掛けるように中国人に話し掛ける習慣を身につけましょう。

 

2.中国語話者の友達をつくる

もっとも会話力を身に着けるための方法です。但し、気を付けなければいけないのは、日本語が達者な中国語話者は日本語で会話を進めますので、上達しません。出来れば、日本語を学びにきたばかりの日本語学校の留学生やワーキングホリデイで訪日した台湾人などが良いでしょう。また、玉造中国語教室にも留学生や旅行者が毎月のように訪問しています。こうした機会を利用して積極的に中国語を使う、または相互学習をすることで会話力は見違えるほど上達します。

 

「書く」の学習法

1.語彙力

語彙力がなければ、会話は未熟なままで一向に進歩しません。毎月目標を定めて、語彙を増やすことも可能ですが、モチベーションが続きません。そうしたときに中国語検定やHSK(漢語水平考試)の受験をお勧めします。合格という目標ができれば、モチベーションも変わってきます。

 

2.文法

中国語は皆さんもご存知のように英語のような動詞変化や複数変化もありません。また、日本語のような「てにをは」や倒置法もありません。かつて言語学者の金田一春彦氏が“世界中の言語で中国語が最も進化した言語”と称していました。中国語を学習すれば、大方の文法は法則(パターン)に従って並んでいることに気づきます。そうした法則を自分なりにひとまとめにして覚えることが上達の近道です。

 

「読む」の学習法

1.ネイティヴスピーカーの口元をみる

中国語の肝は発音です。しかも発音はどんな語学教室でも最初に行います。そうしたこともあり、大体3か月もすれば、「語学は私には向いていない」と逃げ出してしまう学習者もいます。でも、14億人の中国人は皆さん、中国語を使って生活しているのですから、誰でも話せるようになります。例えば、老師の後について読む際はテキストに目を向けるのではなく、老師の口元をよく見ましょう。出来れば、手鏡を用意して、老師と自分の口の動かし方が同じかどうかも確認できれば、段々きれいな発音に近づくかと思います。

 

2.有(無)気音と有(無)声音の違い

中国語は息の強弱で意味が変わり(有無気音)、日本語は清濁音の違いで意味が変わる(有無声音)ことは理解されていると思います。しかし、どうしても母語の干渉(自国語の影響)を受けて、boとpoやdaとtaなどの対立をボとポやダとタなどと発音しがちになります。こうした発音方法の違いを日頃から意識しているかどうかで発音の上手下手が決まります。ネイティヴスピーカーがあなたの話をきちんと聞き取るためにも発音は老師の物まねをするように心掛けてください。